Crimson Empire 1
# 1

パルパティーン皇帝は、ダース・ヴェイダーの手にかかり見せかけの死を遂げた後、復活した−−彼の霊体は、用意されていたクローン体の一つに乗り移ったのだ。 “死”を防ぐために、彼はクローン体を使っていたのだった。パルパティーンは、数世紀を超えてこれからも帝国を支配し続けることを目論んでいた。 しかし、クローン体の欠陥と暗黒面のエネルギーがクローン体を急速に老化させることを知った彼は、プリンセス・レイアとハン・ソロの子供アナキンを誘拐し、そのフォースに満ち溢れた体に乗り移る計画を考えた。

生き延びる為の最後の苦闘の末、パルパティーンの霊体は死にかけた最後のクローン体から飛び出した、が、ルーク・スカイウォーカーのジェダイの一人に捕まり、その霊は暗黒面に永遠に飲み込まれた。

パルパティーンは気づかなかったが、クローン体の欠陥は、裏切り者“カノア・ジャックス”の仕業であったのだ。 新たなる暗黒卿を気どるジャックスだったが、彼の究極の望みは皇帝の玉座を手にすることであった。 パルパティーンの決定的破局後の騒乱の中、舞台裏で暗躍したジャックスは、彼の権力基盤が“皇帝”にふさわしく強固になるまで、秩序を維持するため統治評議会を支配下においた。

だが、パルパティーンのロイヤル・ガード最後の生き残りである“キア・ケイノス”という男が、ジャックスの過去の裏切りと現在進行中の自分を葬り去る計画を知っていた。
ケイノスを探し出すために、ジャックスと共同首謀者のウェッセル将軍は全銀河に及ぶ捜索を開始した。
未だ、その獲物は捜索の手をかわしていた...

年 代 出 来 事 場 面 参 考
ザッジャ(Zaddja)
銀河の多くの居住地域と帝国領域の中心部からはるかに遠く離れたところに位置する、この不毛な惑星は帝国の関心の対象ではなかった...
...今までは。

帝国軍司令官「着陸部隊、こちらは<ディスティニー>。聞こえるか?状況はどうなっている?」
部隊長「「<ディスティニー>、こちら着陸部隊。小惑星網帯通過時に3隻を失った。が、第2分隊が作戦続行中。」」
帝国軍司令官「では、何をグズグズしている?第2分隊、任務を進行させよ。」

トライロン宙域
Trilon Sector
ザッジャ
Zaddja
#1 P.2
部隊長「あれがあいつの隠れ家だ!取り囲め!可能な限り生け捕りにしろ、だが絶対に脱出だけはさせるな!」
ストームトルーパー「生命反応無し...」
部隊長「ドアを調べろ。」
トライロン宙域
Trilon Sector
ザッジャ
Zaddja
#1 P.3
部隊長「第2分隊....から司令部。状況は....罠でした。」
フェイダ(Phaeda)
ザッジャより少しだけ帝国の中心に近いが、軍事上より商業上の重要な拠点である。
ここはあまり知られていない為、密輸業者や盗賊...帝国から脱出しようとする者にとって安全なところでもある。
そうなった理由は、帝国軍守備隊の担当司令官がいなかったからではなかった。

宇宙港警備兵「おまえのIDを提示し、職業を述べよ。」
長衣の男「私は、ただの行商人です。新しい取引を探しています。私のIDは...」
長衣の男「しっかり確認してもらえば、全然問題ないことがおわかりいただけます。」
フェイダ
Phaeda
#1 P.4-5
宇宙港警備兵「よし、気をつけて行け。」
宇宙港警備兵「そこのお前!止まれ!」
帝国軍将校A「お前の言うことなど聞いていられるか!老いたパルパティーンなどいない方がいいのだ。新しい考え方をする時がきたのだ。帝国は崩壊し続けているんだぞ。」
帝国軍将校B「反乱軍がヴァニク星系(Vanik System)で、スーパー・スター・デストロイヤー<ルサンキア(The Lusankya)>を拿捕したと聞いたぞ。」
帝国軍将校C「俺が言ってるのは、今じゃ、政治は見せ物のようなものだ。少なくとも、皇帝は反乱軍の扱い方を知っていたんだ。」
帝国軍将校A「ああ、やつらが皇帝を殺すまではな。俺は、カノア・ジャックスに親近感がある。彼は、裏切り者の扱い方を知っている。」
帝国軍将校C「ジャックスと地獄へ行けよ。やつは自分のために出ていったんだ、俺達みたいな兵士にたてつくことはできないのさ。」
帝国軍将校D「俺がお前だったら、もう少し気をつけるぞ。この話は反逆罪に抵触している。」
帝国軍将校C「お前!なぜ、知らん顔して聞き耳をたてている?」
帝国軍将校C「はっきり答えろ!おい!」
長衣の男「あなたもお仲間も、私を警戒しなくていいですよ。ご自分のテーブルに戻って、夜の革命ごっこを楽しんだらどうですか?」
帝国軍将校C「帝国軍将校から質問を受けたら、素直に答える義務があることを知らんのか?」
長衣の男「もう一度頼みます・・・ご自分のテーブルに戻りなさい、怪我をしたくはないでしょう。」
帝国軍将校C「あ..?」
帝国軍将校C「ものごとを教えてや...」
フェイダ
Phaeda
#1 P.6-7
長衣の男「道を開ければ、命は助けてやる。」
帝国軍将校D「こいつを捕まえろ!」
帝国軍将校D「ウグ!」
ストームトルーパー「やめろ!さもないと...」
ストームトルーパー「うぐぁ!」
フェイダ
Phaeda
#1 P.7-8
テム・メルコン(Tem Merkon)「ついてきなさい。助けになるぞ。急がなくてはならん。宇宙港は、閉鎖されるはずだが、いいところを知っている。」
長衣の男「なぜ、お前を信用せねばならん?」
テム・メルコン「それは、あんたを安全な場所に案内できるからだよ。このタップカフは、地方守備隊のお気に入りなのだ。すぐに部隊がやって来るぞ。さあ!」
フェイダ
Phaeda
#1 P.9
帝国軍将校「ウェッセル将軍が参りました、卿。」
カノア・ジャックス(Carnor Jax)「通せ。」
カノア・ジャックス「キア・ケイノス(Kir Kanas)を捕らえることに成功した報告であろうな。」
レッド・ウェッセル将軍(General Redd Wessel)「そうではありません、ジャックス卿。」
エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
#1 P.10-11
カノア・ジャックス「そうではありません?」
ウェッセル将軍">ウェッセル将軍
「我が部下達は、トライロン宙域(Trilon Sector)のザッジャまで彼の跡をつけましたが、あと一歩のところで逃げられました。彼はまだあの宙域のどこかに潜んでいると思います。」
カノア・ジャックス「いや、今ごろあいつは遙か彼方にいる。わかるか、将軍、あいつの考えなどお見通しなのだ。ケイノスは信じがたいくらいに機転がきくのだ。」
カノア・ジャックス「我が心を早く晴らしたいものだ。もし再びやつを取り逃がしたら、お前は責任をとることになる。銀河を宙域ごと...引き裂いても...どんなことをしても探しだすのだ、あいつを。」
カノア・ジャックス「あいつが生きている限り、我らが計画は達成されぬのだ。あいつが生きている限り、帝国自体が危機にさらされるのだ。」
ウェッセル将軍「そんなことができる者などいるはずが...」
カノア・ジャックス「お前が、あの男の能力を計れぬだけだ。私にはわかる。全銀河の中であいつだけが、我・・我ら・・が計画の前に立ちはだかる唯一の男なのだ。」
カノア・ジャックス「今から、お前の任務はただ一つだ、将軍...キア・ケイノスを探し出せ!」

エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
#1 P.11-12
カノア・ジャックス「最近起きた出来事は、私に大切な教訓を教えてくれた。その教訓がわかるか、ウェッセル?」
ウェッセル将軍「想像もつきません、ジャックス卿。」
カノア・ジャックス「そうだ。お前にわかるはずがない。細心の注意を払うのだ、それから、お前自身が気づくことが極めて重要なことなのだ。」
カノア・ジャックス「我らが計画の第一歩を踏み出す前に、ありとあらゆる局面における徹底的な検証を、何度繰り返してきたことか。」
ウェッセル将軍「えぇ、膨大な数の検証をやりました、閣下。」
カノア・ジャックス「そうだ、我らは念入りに計画した。計画のあらゆる部分が完璧だと思えたときにも、欠点と弱点を探し出すためにそれをバラバラに分けてみた。我らは念入りに前後のあらゆる細かいことをよく調べたな、ウェッセル。誰にでも実行できるくらいに念入りにな。」
カノア・ジャックス「なのに、その計画は我らをどこへ導いた?災難の縁か、それはどこだ?」

エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
TPB P.17-17
カノア・ジャックス「皇帝の存命中は権力への欲望を遂げられなかった者たち−−現在の“統治評議会”のメンバー−−と、お前は密かに会った。」
カノア・ジャックス「我らの資金要求は満たされたが、その会合は支配権をめぐる舞台裏の戦いを引き起こした。」
カノア・ジャックス「我らが計画の漏洩は、私の助手ブリム(Blim)のすばやい働きでかろうじて免れた。」
カノア・ジャックス「我らは、金で皇帝の信頼する主治医を買収し、パルパティーン自身のクローン製造を密かに妨害させた..」
カノア・ジャックス「..それだけでなく、その出来事を、スカイウォーカーの一人を新しい寄生体として捜し求めていた皇帝に密告した..」
カノア・ジャックス「皇帝の随行部隊の中で一番弱い“主治医”が一番初めに死ぬはずだった。」
エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
TPB P.18-19
カノア・ジャックス「悪いことに、彼の自白は皇帝のロイヤル・ガードに立ち聞きされてしまった!」
カノア・ジャックス「スカイウォーカーと弟子のジェダイたちの技量からすれば、皇帝とともにオンダロンにいたロイヤル・ガードの二人は簡単に片づけられるものと信じていた..」
カノア・ジャックス「..しかし、それどころか我らが計画はついえた。未熟者の若いジェダイは、戦っていたガードを単に負傷させただけだったのだ。」
エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
TPB P.19
カノア・ジャックス「その上、お前の部隊は、ロイヤル・ガードの脱出の阻止に失敗し、やつはインシュアにたどり着いた..」
カノア・ジャックス「..そこでやつは、パルパティーンの生き残ったロイヤル・ガードたちに我らが行為を明らかにしたのだ。」

エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
TPB P.20
カノア・ジャックス「はい、しかし私たちはその問題を解決できました..」
ウェッセル将軍「できました?」
カノア・ジャックス「もしその問題が解決したというのなら、では何故お前の部下たちは、まだキア・ケイノスの捜索を続けているのだ。いつものように、お前は肝心な“点”を見落としているのだ、ウェッセル。およそ計画の成功と失敗というものは、非常にちっぽけな“点”秤の上にのっているのだ。」
カノア・ジャックス「さあ、行け..二度と私を失望させるな!」

エンペラーズ・リヴェンジ
Emperor's Revenge
TPB P.20
テム・メルコン「わしはメルコン、テム・メルコンだよ。タップカフの裏口で、あんたが倒した帝国兵士の数は凄かったな。この辺りにいる悪漢や盗人は、殴り合いか背後から刺すことぐらいしかできん。あんたの戦いぶりは訓練されたものだ..型もな。」
テム・メルコン「あんたには軍隊経験があるようだが、通常の帝国アカデミー出身ではないんだろう。どうだね?」
テム・メルコン「おっと、詮索するわけじゃない。プライバシーは守らねばならん。ま、多少旅をしたことがあってな、いろんなことを見てきたのだ..」
テム・メルコン「..それに、あんたのような動きのできる男は、滅多にいるもんじゃない。ジェダイ騎士か..」
テム・メルコン「..パルパティーン直属のエリート・ガードの一員ぐらいなものか...。」
テム・メルコン「おう、ここだよ。この倉庫は私のものなのだ。ここなら安全だ。」
フェイダ
Phaeda
#1 P.13
テム・メルコン「大丈夫だ。ついてきなさい。」
テム・メルコン「私の仕事は、必ずしも帝国の法に則っているわけじゃない。非常時に備えて造ったのだよ。」
テム・メルコン「ちょっと降りてきなさい。」
テム・メルコン「雑然としてるが。楽しむために造ったわけじゃないからな。」
テム・メルコン「それでも、潜伏用に食べ物と水は充分ある。乾燥食料もあるから心配はない。」
テム・メルコン「と言っても、ここやこの辺りに長居をする気は無いだろうがな。」
テム・メルコン「あんたの手助けができる友人を連れて、すぐ戻ってくる。その筋に密告などしないから心配するな。」
テム・メルコン「あんたを、今夜殺すような知り合いはおらんよ。」

“雑然”、とメルコンとかいう男は言った。インシュア(Yinchorr)の兵舎に比べれば、この隠れ家は宮殿だ。
フェイダ
Phaeda
#1 P.13-14
インシュア(Yinchorr)
原住民が一掃されたその惑星は、荒涼とした寂しい所として知られていた。
銀河でもっとも恐れられた戦士達の最終訓練場。
帝国の最高部隊から選び抜かれた彼らは、超精鋭(the best of the best)だと考えられていた。それでも、彼らの訓練はまだ始まったばかりだった。
イカーニ(Echani)という命がけの技術を習い...
...“スクォール(Squall)”と呼ばれる厳しい闘技場で鍛えられ...
...インシュアでの訓練期間が終わる頃には、全くの別人となるのであった...
...生き残れば、だが。
キア・ケイノス「降参。お前の勝ちだ。」
カノア・ジャックス「気にするな、キア・ケイノス。スクォールの中じゃ、俺は無敗だ。」
キア・ケイノス「カノア・ジャックス、銀河は広いが、スクォールがあるのはインシュアだけなのかな。」
カノア・ジャックス「多分な、だが...おい、あれは何だ?」
訓練生「インペリアル・ガードだ!」
インシュア
Yinchorr
#1 P.15-16
訓練生「パ、パルパティーン!」
訓練生「皇帝陛下だ!」
キア・ケイノス「陛下...」
パルパティーン皇帝「良い、起つのじゃ。」
皇帝「弱音を吐くことは、余に対する忠誠心を失うことと同じなのだと言っておく。その身を賭して余に仕えるのじゃ。」
皇帝「そち..、我が僕(My son)よ...。」
皇帝「ここでの生活が生易しくはないことを余は知っている。訓練も非常に厳しい...」
キア・ケイノス「はい、陛下、ですがそれ故に、皇帝陛下への命がけの忠誠心が高まるのです。」
皇帝「そちの名は?」
キア・ケイノス「キア・ケイノスであります、皇帝陛下。」

皇帝は、彼の運命を見通すがごとくじっと見つめ続けていた。が、おそらくパルパティーンは、ケイノスに自らの悲運を見たのだろう。
インシュア
Yinchorr
#1 P.16-17
皇帝「おお、ヴェイダー卿。実習に来てくれたのじゃな。」
ダース・ヴェイダー「そのように仰せでしたので、マスター。」
皇帝「始めよ。」
ヴェイダー「最も優秀な訓練生は誰だ?」
訓練生「バー・ダニッド(Burr Danid)が一番です、もしくはカノア・ジャックスとキア・ケイノスもなかなかの手練れです。」
ヴェイダー「ダニッド、前へ出よ。」
ヴェイダー「来い、わしと一緒にスクォールへ入れ。」
ヴェイダー「わしを攻めよ。臆するな。」
皇帝「本分を果たすのじゃ、我が僕よ。」
バー・ダニッドの攻撃..
インシュア
Yinchorr
#1 P.18-19
..と防御は完璧だった。
完璧な技術。
しかし、ヴェイダーは子供を相手にするかのようにもてあそんだ。
バー・ダニッド「ぐああ!」
誇り高く、ダニッドは慈悲を乞わなかった。
インシュア
Yinchorr
#1 P.19-21
申し出るものもいなかった。
ヴェイダー「あれが一番だとしたら、お前達は皇帝にお仕えすることなどとてもできぬ。」
皇帝「訓練に戻るのじゃ。学ばねばならぬことは多いぞ。」
彼らは、すでに最初の厳しい戒めを学んだのだ。もっと多くを学ぶ前に。
インシュア
Yinchorr
#1 P.21
生き残るための戒め..
..死に直面する機会に満ちあふれた銀河の中で。
フェイダ
Phaeda
#1 P.22

ゼクサス・シェヴ大佐(Colonel Xexus Shev)「ではお前は、一人の男がこれを全部やったのだというのか?」
酒場の店主「そうです、シェヴ大佐、たった一人です。わたしゃ、こんなの今まで見たことがありません。」
フェイダ
Phaeda
#1 P.23
酒場の店主「援軍が到着したときには、ヤツは捕まると思いましたよ、ですがヤツはいとも簡単にやっつけちまったんです。わたしゃ、今まで私の店へ来たいろんな傭兵や殺し屋を見てきましたが、ですがヤツは全然別モンですね。」
シェヴ大佐「ご協力をいただいた礼を言おう...この男を重要参考人として拘留しておけ。」
酒場の店主「な・・?ですが・・!」
シェヴ大佐「フェイダからの全ての離陸をキャンセルしろ。宇宙船は全て宇宙港に足止めするのだ。」
シェヴ大佐「こんな事件が中央司令部の注意を引きつけたりしたら...ここで築き上げた全てが台無しになる、キャリアを失うばかりか..もっと悪い事態もある。この逃亡者が、ただの密輸業者か犯罪者でなかったとしたら..」
シェヴ大佐「..男の正体がフェイダへ知らされる前に、そいつを捜し出すのだ。」
フェイダ
Phaeda
#1 P.23-4

NEXT : Crimson Empire #2

注!!意訳です。完訳ではありません。(^_^)
Last Update 13/Oct/1999