新たなる希望 #16-b |
年 代 | 出 来 事 | 場 面 | 参 考 |
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サウンド:背景にカンティーナのバンド。さきほどの争いのあと彼らの奏でるスイング・ナンバーが流れる。会話などの音が入る。 ハン:(わずかに離れたところから)あのブースに座ってる二人か、チューイー? チューイー:(近づきながら)肯定してゴロゴロと声を出す。 ハン:やあ、みなさん。俺がハン・ソロ、<ミレニアム・ファルコン>の船長だ。 ベン:お会いできて嬉しいよ、ソロ船長。 サウンド:彼は自分の席に座る。チューイーも座る。 チューイー:うなる。 ハン:ここにいる俺の一等航宙士、チューバッカの話じゃ、オルデラン星系行きの船を探しているそうだな。確かかい? ベン:そうだ。探している。もし速い船ならな。 ハン:速い船?<ミレニアム・ファルコン>の噂を聞いたことがないのか? ベン:おかしいかね? ハン:どこから来たんだ?<ファルコン>は一二パーセクもかけずにケッセル・ランを飛んだ船だぞ。 ベン:すると、きみはスパイスの密輸が業いか。そうかね? ハン:まあ、自営業者ってことにしとこう。とても独立心旺盛のな。 ベン:最もコレリア人らしい意味でかね? ハン:ああ、場合によっちゃ法の一つや二つを曲げることもあるよ。帝国の戦艦から逃げ切ったこともある。このあたりにいる戦艦だけじゃないぞ、いいかよく聞けよ、大型クルーザーもだぞ。<ファルコン>は充分満足いただけるぜ、ご老人。 ベン:きみと私は、お互いわかり合えそうだな。 ハン:はん?ああ、そいつはよかった。積み荷はなんだい? ベン:乗客だけだ。私とこの若者、二体のドロイド・・・それと、詮索はなしだ。 ハン:何に追われているんだ?地元のトラブルか何かか? ベン:われわれは帝国とのゴタゴタを避けたい、そう言っておこうか。 ハン:ああ、そういうことか。となると、いくらか余計にかかるぜ。一万・・・前金でだ。 ルーク:一万だって?それだけあれば自家用船がほぼ買えるじゃないか! ハン:だけどな、誰がそいつを飛ばすんだい、キッド?おまえか? ルーク:ああ、そうさ!俺だってそんなに下手なパイロットじゃあない。ベン、ここから出よう。こんな話を聞く・・・ ベン:(話を遮りながら)落ち着け、ルーク。ソロ船長、われわれはそんなに持ち合わせていないが、今二千払ってオルデランに到着したらプラス一万五千払おう。 ハン:一万七千、ふうん(間をおいて、考え込みながら)、オーケー、引き受けたぜ。それと、念のために言っとくが、オルデランに着いたら残りの金を出し惜しみしないほうがいいぞ。俺と相棒のチューイーは約束をたがえられるのは好きじゃないんだ。 チューイー:警告するような不吉なうなり声をあげる。 ベン:心配ない。そっちが守ってくれれば、われわれも期待に沿うよう努力するよ。 ハン:物わかりがいいな、ご老人。あんた方が用意でき次第、出発しよう。<ミレニアム・ファルコン>は宇宙港のドッキング・ベイ94だ。 ベン:ドッキング・ベイ94。すぐに金を持っていく。そこで会おう。 ハン:いいだろう。 サウンド:遠くでがやがやいう騒音がして、ストームトルーパーたちが入って来る。 ハン:おい、ちょっと前に二人のチンピラの名残りをドアから運び出しているのを見たが、あんたの仕業かい? ベン:選択の余地はなかった・・・彼らが仕掛けてきた。 ハン:社会的損失ってわけじゃないが、向こうにいるあのストームトルーパーが遺体に気づいたようだな。 ルーク:ベン・・・ ベン:待て、ルーク・・・ ハン:おっと。こっちに向かって来るぞ。裏口へどうぞ、みなさん。まっすぐ向こうだ。 ベン:かたじけない、ソロ船長。 ハン:どういたしまして。 ベン:ドッキング・ベイで会おう。おいで、ルーク。(去っていく) ストームトルーパー1:(近づきながら)おまえたち二人、老人と若いやつを見かけなかったか? ハン:いいや。チューイー? チューイー:否定するうなり声。 ハン:しかし、まあ、人を監視するのが仕事じゃないからな。 ストームトルーパー1:(呼びかけながら)おい、バーテンダー、こっちに来たと言わなかったか! バーテンダー:(遠くから)そう思ったとは言ったよ。ご覧のとおり忙しくてね。いちいちお客のことまで見ちゃいられないんだ! ストームトルーパー1:わかった。裏口を調べよう。ついて来い。 サウンド:ストームトルーパーたちが騒々しく出て行く。 ハン:(笑いながら)一万七千だぞ!あの二人、よほど切っ羽詰まってるに違いない!これでほんと、命拾いだ! チューイー:同意してホーホーと言う。 ハン:いったい何者なんだ?あのじいさんがライトセーバーでバーのならず者二人をばっさりやっちまったと言ったな?あんなアンティークな武器を今頃使うやつがいるとはな。 チューイー:わからないといううなり声をあげる。 ハン:俺もさ。それにしても、たいした腕だ。あの二人はちょいとヤバイかもしれんな、チューイー。 チューイー:質問するうなり声。 ハン:さあ、どこがどうとはわからんが。そうは言っても、出たとこ勝負でいくしかないな。この仕事を無視する余裕はないんだ。俺たちがやむをえず投げ捨てたケッセル・スパイスの積み荷の借金を、ジャバ・ザ・ハットがちょいと心配しはじめてるからな。そろそろ払わんと、この宙域のガンマンに賃金目当てに狙われるはめになる。 チューイー:同意して吠える。 ハン:荷物を取ってきてくれ。俺は二、三やることがある。 サウンド:チューイーが立ち上がり出て行く。 チューイー:うなって別れを告げる。 ハン:(呼びかけながら)ああ、<ファルコン>で会おう。それから離陸する準備をしよう。 グリード:お出かけかい、ソロ? ハン:ああ、出かけるところさ、グリード、銃をしまえよ。おまえのボスに会いに行く ところだったんだ。ジャバ・ザ・ハットに金ができたって伝えてくれよ。 グリード:もう遅いぞ、てめえ。ブースに戻って座るんだ。 ハン:いいとも。ただ、銃なんかかまえて神経質になるなよ、グリード。足を載っけてリラックスさせてくれ、な?長い一日だったんだ。 サウンド:彼のブーツがテーブルにドシンと投げ出される。 グリード:もっと早くジャバに払うべきだったぞ。 ハン:ああ、グリード、けどよ、やっと本当にジャバに金を返せるんだ。 グリード:俺によこすのなら、おまえを見つけたことを忘れてもいいぞ。 ハン:ここには持ってないんだ。ちょうど仕事を見つけたんだ。ヒーターとジャバ・ザ・ハットに言って− グリード:(遮りながら)ジャバはあんたのことを用済みだと思っている。プリーチャーも同じさ。 ハン:賃金稼ぎの殺し尾集団に追いつめられたんだ!ハイパースペースに飛ぶこともできなかった!命が助かっただけで幸運だったよ! グリード:あの名うての凄腕ソロはどうなったんだ? ハン:なあ、時々は俺だってへまをやるさ。スパイスの積み荷を投げ出さなければならなかった・・・選択の余地があったと思うか? グリード:プリーチャーにそう言えよ。おまえの船を持ってくだけで許してくれるかもしれんぞ。 ハン:俺の死体を乗り越えてからな! グリード:ああ、そうするつもりさ。 ハン:だろうな。 サウンド:ブラスターの大きな銃声。客たちが驚いて叫ぶ、グリードがうなって、咽喉を鳴らし、テーブルに突っぷす。 ハン:安らかにな、グリード!俺はテーブル越しばかりじゃなく、テーブルの下から撃つのもうまいのさ。凄腕のソロのトリックはいかがかな? サウンド:ハンはブースから再び立ち上がる。 ハン:バーテンダー! バーテンダー:何だい? ハン:ほら・・・ サウンド:コインがカウンターに落ち回転してゆっくり止まる。 ハン:迷惑料だ・・・ゴタゴタさせて悪いな。 サウンド:彼は二、三歩ほど歩んで、それから話しかけられ、突然立ち止まる。 お客2:やってくれたな、ソロ!プリーチャーがきっと首をほしがるだろうよ。 ハン:やつの代わりをするつもりか? お客2:う、いいや。そんな気はないさ、ハン・・・ ハン:だったらそこをどいてくれ・・・船を出すところでね。 お客2:ああ、もちろんだとも・・・ ハン:ジャバ・ザ・ハットかヒーターに会ったら、一日か二日で戻るって言ってくれ・・・(遠ざかりながら)手っ取り早い金のあてができたんだ。 音楽:挿入され、低くなる。 |
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