反乱の夜明け #9-b |
年 代 | 出 来 事 | 場 面 | 参 考 |
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ハン・ソロはキャッシークにあるマーラトバックの家の居間の真ん中で、親友が生まれたばかりの自分の息子を優しく抱くのを見守っていた。 彼らはコーポレート・セクターをあとにし、一時間前にチューバッカの故郷に着いたばかりだった。<ファルコン>はロシュアの枝の中の秘密のドッキング・ベイに無事おさまっている。今回ウーキーたちは、ハンがロシュアの木を登るために、一連の蔓で作ったラダーを用意してくれた。キューラーがどんなものか知っているコレリア人が、断固それに入るのを拒否したからだ。 ふたりが降りた瞬間から、ハンは何だかみんなの様子がおかしいことに気づいた。彼らと目の合ったウーキーは、誰も彼もにやにや笑いながらチューイーを見ては、たがいに肘でこづき合っている。チューバッカは愛する妻に一刻も早く会いたいあまり、まるで気づいていなかった。まあ、無理もない、マーラに会うのはほぼ一年ぶりなのだから。 そしてそれからマーラの家に入ると、彼女が毛布にくるんだ赤ん坊を抱いて立っていた。チューバッカは一瞬、ドアウェイに立ち尽くしたものの、驚きの表情はすぐに満面の笑みに変わった。 ハンはウーキーにも負けないような力で友だちの背中を叩いた。「おめでとう、チューイー!おまえは親父になったんだぞ!」 しばらく赤ん坊を賛美したあと(ものすごく可愛い赤ん坊だということは、ハンでさえ認めないわけにはいかなかった)、チューイーに家族水入らずの時を過ごさせてやりたくて、ハンはマーラのキッチンに退散した。そしてマーラに自分の家のようにしてくれと言われたのを幸い、冷蔵ユニットの中身を物色し、うまそうなものを口に入れた。 そこに座って、チューイーとマーラが隣の部屋で息子の名前を相談するのを聞きながら、ハンはコーポレート・セクターとタイオン・ヘゲモニーで過ごした日々や、さまざまな冒険を思いだしていた。金持ちにはなれなかったが・・・結構いい思いをさせてもらった。 それに、善良な人々も悪党もとりまぜて、印象深い連中にたくさん出会った。もちろん、美しい女性もたくさんいた・・・ジェッサ、フィオラ・・・ヘイスティ・・・。 ハンは思いだして微笑んだ。 悪いやつらも大勢いた。ハンのクレジットを奪おうとしたやつら、いや、彼を消そうとしたやつらもいた。それも大勢。プルーヴォ2=4=1、ハーケン、ズラーブ、マッグ、スプレイ・・・それにガランドロ。ガランドロは手強い相手だった。飛び入り自由の格闘技で、同じ武器を与え、ボバ・フェットと戦わせたらちょいとした見物だったろう。ガランドロはあの賞金稼ぎに勝ったかもしれない・・・だがフェットはアーマーで守られているから− まあ、どっちが勝つにしろ、この想像は無意味だ。ガランドロは惑星デラルトの暴君ジムの“宝物殿”で、黒こげの死体になってしまったのだから。 思いがけずロアとバデュアに会えたのは嬉しかった。そうだ、バデュアがよろしく言っていた、と忘れずにマコに伝えなくては。 自分でも意外なことに、ハンはボラックスとブルー・マックスに会えなくて寂しいと思っていた。ドロイドがあれほど個性を持てるとは知らなかった。スキンクスがボラックスたちを大事にしてくれてるといいが・・・。 コレリア人は顎のナイフの傷を指で触った。もうほとんど治っている。ちゃんとした治療を受ける暇がなかったせいで、傷跡が残っていた。これは取ってもらったほうがいいだろうか。 女はならず者に惹かれる、こいつはランドの口癖じゃなかったか?あいつが海賊のように見えるから、と口髭をはやしたのもそのためだ。まあ、当分はこの傷をそのままにしておくとしよう。それに、これは話の種になる・・・違うか?彼はナー・シャッダの行きつけの店で、美しい女性にこの傷の由来を話している自分を思い浮かべた。 “次はナー・シャッダだ。おれの顔を見たら、ジャバは喜んでくれるだろうか?” |
反乱の夜明け P.201 - P.203 |
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