新生ローグ中隊 #2 |
年 代 | 出 来 事 | 場 面 | 参 考 |
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アクバー「済んだことはしかたがない。ソークー大尉を起用すればシナリオはずっと難度を増すのかね?」 アクバーが気まずい沈黙を破った。ウェッジは顔をほころばせながらうなずいた。 |
ウェッジ「はい、提督。じつはそれが狙いでした。ホーンはきわめて有能なパイロットですし、わきを固める三人の訓練生もそれなりの技量の持ち主です。現在、ホーンとタイフェラ人のブロー・ジェイスはグループで一、二を争う腕前でしょう。ジェイスの傲慢な言動に我慢ならないホーンは努力を怠りません。しかしこらえ性のないのが欠点でして、それが命取りになりかねません。ですから演習で痛い目に遭わせて注意をうながそうと思いまして−それができるのはタイコだけなのです」 フィラ中尉「提督、ソークー大尉をお連れしました」 執務室のドアが開くと、女性将校にともなわれて黒いフライト・スーツのパイロットが入ってきた。タイコはすかさず気をつけの姿勢を取った。 |
タイコ「ご命令により出頭いたしました」 アクバー「楽にしたまえ、ソークー大尉」 ウェッジは自分より少し背の高い男に励ますかのように笑顔を向けた。提督は椅子から身を起こした。 アクバー「もうさがってよいぞ、中尉」 モン・カラマリはドアが閉まるのを待って、ウェッジにうなずきかけた。 アクバー「ソークー大尉、アンティリーズ中佐によれば、きみは異例ともいえる服務規定を受け入れたそうだな。本気かね?」 タイコ「はい、提督。その通りです」 タイコはうなずいた。 アクバー「無防備な爆弾同然の状態で飛び、プライバシーもなければ自由もないのだぞ」 タイコ「承知しております」 モン・カラマリはしばし口をつぐむと、青い目のパイロットをじっと見つめた。 アクバー「きみは、グランドモフ・ターキンから隷従を強いられたかつてのわしと変わらぬ立場に置かれることになる。いやもっとつらいかもしれん。ここにおるソーム将軍はきみを危険人物と見なしておるからな。どうしてこのような取り決めに応じたのだ?」 タイコは肩をすくめた。 タイコ「当然の義務だからです。わたしはみずから進んで反乱軍に身を投じました。凍てつくようなホスでの戦いも苦になりませんでしたし、命じられるままデス・スター攻撃にも参加しました。そしていまでもトラブルのもとになっている極秘任務に志願しました。なぜならば反乱軍に入るとき全力を尽くそうと誓ったからです。たとえ奴隷同然にあつかわれても、帝国軍の捕虜にくらべればましですから」 彼は視線を落とした。ソームは禿頭を汗で光らせながらタイコを指さした。 |
ソーム「まさに非の打ちどころのない申し立てですが、提督、人材ならほかにもいるのでは?」 アクバー「いや、将軍。このオルデラン出身者にまさる者はおらん」 モン・カラマリはデスクからデータパッドを取り上げた。 アクバー「ソークー大尉をローグ中隊のXOに任命する。ギャヴィン・ダークライターの採用も許可する」 ウェッジはソーム将軍の渋面に気づき笑みを殺した。タイコに向かってこっそりウインクを送る。 ウェッジ“やったぜ、二戦二勝” アクバーはデータパッドから顔をあげた。 アクバー「アンティリーズ中佐、今後は問題が発生した場合、逐次報告してもらいたい。軍用プロトコル・ドロイドM・3POはそうした作業を手伝うために配属されておるのだ。活用したまえ」 コレリア人は目を丸くした。 ウェッジ「ご命令とあれば。しかしあのドロイドはほかにもっと有用な使い途があるのでは」 アクバー「きみの意見はもっともだが、中佐、そのような判断はわれわれに任せてもらいたい」 ウェッジは両手をあげた。 ウェッジ「承知しました」 “勝ちは譲りますが、提督、わたしを出し抜くことはできませんよ。あなたもわたし同様、なかなかの駆け引き上手だ。しかしあなたが大型艦を相手にするのに対して、わたしはすばしっこいやつが相手だ” アクバー「よろしい、これで話は済んだ。解散。両名ともさぞ満足だろう」 アクバーはドアのほうへ顎をしゃくった。 ウェッジ「はい、提督」 アクバー「最後に一つだけ質問がある」 ウェッジとタイコは振り返って提督の顔を見つめた。二人は声をそろえて問い返した。 ウェッジ&タイコ「なんでしょう?」 アクバー「<リデンプション>シナリオのパイロットたちはどうだった?」 ウェッジ「ホーンを撃墜したんだろ?」 ウェッジは任命されたばかりのXOを見やった。タイコは顔を赤らめた。 タイコ「たしかに撃ち落としましたが、思いのほか手強い相手でした」 誇らしげな笑みを浮かべながらつづけて言った。 タイコ「今日対戦したパイロットばかりだとすれば、ローグ中隊は二ヵ月以内に活動を開始できます。災いの元凶帝国の命運は尽きたも同然です」 |
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