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新生ローグ中隊 #1
コラン・ホーン

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6y+6m ASW4

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小説 上 P.21-23
ウェッジ・アンティリーズ(Wedge Antilles)“おまえの腕は認めるが、コラン、おまえはルーク・スカイウォーカーじゃないんだぞ”

前回の戦闘訓練のあと、コラン・ホーンはアンティリーズ隊長からそう注意された。いまでも思い出すたびに顔が赤らむ。べつに叱責されたわけではなく、淡々とした口調で告げられたのだが、アンティリーズの言葉はコランの胸にグサッと突き刺さった。

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コラン・ホーン(Corran Horn)“そんなつもりはこれっぽっちもなかった。ただ自分の力を試して仲間に認めてもらいたかっただけだ。”

コランは首をふった。手を伸ばしてXウイング・ファイター・シミュレーターのエンジン・スイッチをひねる。コクピットの機器類が一斉に作動しはじめた。

コラン「グリーン1、エンジン・スタート、発進。主動力および補助動力、フルパワー」
オーリル・クリッグ(Ooryl Qrygg)「「グリーン2、発進」」

仲間のギャンド・パイロット、オーリル・クリッグのかん高い声が聞こえた。つづけてグリーン3とグリーン4が離陸を告げると、シミュレーターの外に宇宙空間が映しだされた。

コラン「ホイッスラー、ナビ計算はすんだか?」

白と緑の二色に塗りわけられたR2ユニットは、コランの背後で高々と電子音を響かせるとメイン・モニターにナビ・データを表示した。コランはそのデータをすかさずグリーン小隊の仲間に送信した。

コラン「これより光速に入り、<リデンプション(Redemption)>に合流する」

ハイパー・ドライブを作動させると、星は糸を引くような姿に変わり、Xウイングは白く輝く光のトンネルへ突入した。渦を巻くような光のトンネルを航行していると本能的に機首を立て直したくなるのだが、コラン・ホーンはその衝動を抑えこんだ。宇宙空間、とくにハイパースペースにおいて、上下の位置関係は相対的なものにすぎず、つねに変化する。どのような姿勢で飛行したところで−ホイッスラーの計算どおりの航路をたどって所定速度を維持しているかぎり問題はなく−無事目的地にたどり着ける。

コラン“ブラックホール突入にくらべれば楽勝だ”

とはいうものの、どのパイロットも緊張の色は隠せない。このシナリオは、初代デス・スターがまだ撃破されておらず、撤退中の味方艦艇が帝国軍の攻撃を受けているという想定のもとでおこなわれる。
インペリアル・フリゲート(Imperial Frigate)<ウォースパイト(Warspite)>から発進したTIEファイターとボマーが、医療フリゲート(Medical Frigate)<リデンプション>へ負傷者を運ぶ三隻の医療シャトル(Medevac shuttle)と一隻のコルヴェット(Corvette)<コロレヴ(Korolev)>の息の根をとめようとしている。ミサイルを多数搭載したボマーは抜群の破壊力を誇る。
このシナリオは別名、レクイエム・シナリオと呼ばれていた。<ウォースパイト>から発進する敵機は、“アイボール(eyeball)”と呼ばれるファイター四機、“デュープ(dupe)”と呼ばれるボマー六機にすぎない、が、それでも<コロレヴ>を救うのはとうてい不可能に思えた。コルヴェットは図体がデカくて狙いやすいので、TIEボマーは難なくミサイルをぶち込むことができる。

ふたたび糸を引くような星明かりに変わり、Xウイングの編隊はハイパースペースをぬけ出した。
<リデンプション>は左舷方向に位置していた。数秒後、ホイッスラーが僚機と三隻の医療シャトルの到着を告げた。先頭の医療シャトルが繋留作業を開始した。

ナワラ・ヴェン(Nawara Ven)「「グリーン1、こちらグリーン4」」
コラン「なんだ、4」
ヴェン「「このまま教科書どおりいくのか?べつなのをためしてみたらどうだ?」」

コラン・ホーンは返事をためらった。ナワラ・ヴェンはだれもが疑問に思っている作戦上の問題点を指摘したのだ。作戦では、一番機が<番犬>さながらに敵機を迎え撃っているあいだ、残る三機は緊密な編隊を組んでバックアップ態勢を取ることになっている。三機がその態勢を崩さないかぎり、<ウォースパイト>はかなり離れたところから戦闘機を発進させなくてはならない。ひとたび編隊を崩せば、敵はもっと大胆な攻撃を仕掛けてくる。
そもそも作戦に無理があるのだ。たった一機で“アイボール”二機と“デュープ”三機を相手しなくてはならない。たとえ第一陣を片付けても、さらに五機が第二陣として控えている。つづけざまに攻撃をくらったら、まず生き残れない。ほかに手はない。

コラン“コレリア人のくせに命を惜しんでどうする?”
コラン「教科書どおりゆく。守りを固めてくれ」
ヴェン「「了解。幸運を祈る」」
コラン「ありがとう」

コラン・ホーンは首からつるしたお守りに右手を押しあてた。厚手の飛行服のうえからグローブを当てても、コインの手触りを確かめることはできないが、胸骨にお馴染みの感触をおぼえて微笑んだ。

コラン“いつも父さんを救ってくれたお守りだ。まだツキが残っていればいいが”

同盟軍に身を投じてここまでやってこられたのは、幸運に恵まれていたからにほかならない。まずスラング習得に一苦労した−TIEファイターを“アイボール”、インターセプターを“スクイント”と呼ぶところまでは納得できたが、ほかのスラングには頭をひねるばかりだった。反乱軍に参加した当初は、見るもの聞くものすべてに戸惑いをおぼえて、慣れるのは容易なことではなかった。

コラン“このシナリオは勝てない”

<コロレヴ>が<リデンプション>に近づくと、コランはいそいで最終チェックをはじめた。シナリオをくりかえし検討する。守りにまわった前回の演習のとき、TIE編隊の攻撃パターンや攻撃速度をホイッスラーに記録させておいた。TIEのシミュレーターを操縦するのはいずれも隊員候補生たちで、それぞれ力量に応じた動きをみせるが、基本的な飛行パターンはあらかじめプログラムされたものだ。

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小説 上 P.23-25
ホイッスラーが鋭い警告音を発して<ウォースパイト>の到来を告げた。

コラン「了解、一一クリック後方だな」

コラン・ホーンが操縦桿を右に倒すと、Xウイングは大きく弧を描いて旋回した。すかさずスロットルを全開にする。XウイングはSフォイルをロックして攻撃態勢に入った。

コラン「グリーン1、攻撃開始」

リサティーの落ち着いた声がコムから力強く響きわたった。

リサティー・イーナ(Rhysati Ynr)「「ハットのよだれみたいに光弾をあびせかけてやりなさいよ」」
コラン「全力を尽くすつもりだ、グリーン3」

コランはにやりと笑うと、翼を振りながら味方機のあいだを通り抜けて、<ウォースパイト>をめざした。ホイッスラーが低く電子音を鳴らしてTIEボマー三機の接近を告げた。つづけてすこし高めの電子音を鳴らしてTIEファイター二機の到来を告げる。

コラン「ホイッスラー、ボマーにターゲット1、2、3とタグをつけろ」

R2が命令を実行に移すと、コラン・ホーンは前部シールドのパワーを最大にして、メイン・モニターにレーザー・ターゲット・プログラムを読み出した。左手で操縦桿の照準調整装置を操作して、二機のファイターを射程にとらえる。

コラン“いいぞ、“アイボール”と“デュープ”のあいだは三クリックほど離れているようだ”

コラン・ホーンは右手でもう一度コインをさすった。そして大きく吸い込んだ息をゆっくり吐き出すと、発射ボタンに親指をのせた。二クリックの距離まで近づくと、HUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)に黄色い箱形の粋が映しだされて、先頭のTIEファイターを囲い込んだ。敵機にクロスラインが重なると枠の色が黄から緑に変わり、ホイッスラーがかん高い電子音を響かせた。コランはすかさずボタンを押して、立て続けに三発レーザー弾を放った。
一発目ははずれたが、二発目と三発目が球形のコクピットに命中した。六角形のソーラー・パネルがへし折れてイオンエンジンが爆発、火の球になって膨れあがった。コランのXウイングは機体を九〇度にスナップロールして爆炎を突っ切った。敵の二番機から放たれたレーザー弾が前部シールドに炸裂して視界がきかない。狙い撃ちされていることが不満らしくホイッスラーが悲鳴じみた電子音を響かせた。コランも負けじと撃ち返す。手応えはあったのだが、TIEはコラン機とすれ違うと猛スピードで<コロレヴ>へと向かった。

コラン“レクイエム・シナリオに新たな一章を書き加えるときが来た”

コランはスロットル・レバーをゼロ近くまで引き絞り、Xウイングを減速させた。

コラン「ホイッスラー、ターゲット1を捕捉しろ」

TIEボマーの一番機がモニターいっぱいに映しだされた。プロトン魚雷のターゲット・プログラムに切り替える。HUDの箱形の粋がひとまわり大きくなった。ホイッスラーがピーピー言いながら、ミサイル・ロックに必要なデータをコンピューターに入力しはじめた。

オーリル「「グリーン1、速度が一パーセントまで落ちているぞ。応援に行こうか?」」
コラン「その必要はない、グリーン2」
オーリル「「コラン、どうするつもりだ?」」
コラン「まとめて片付けてやる」
コラン“うまくいけばいいが”

HUDの色が赤に変わり、ホイッスラーのトーンから抑揚が消えた。コランはボタンを押して一発目のミサイルを放った。

コラン「つぎターゲット2」

HUDが黄から赤に変わると、すかさず二発目を発射する。ミサイルがターゲットへ接近するにつれて、カウンターの数字がみるみるうちに減ってゼロに近づく。二キロ前方で、一発目のミサイルが命中、TIEボマーは粉々に吹き飛んだ。数秒後、二発目もターゲットに命中した。超新星爆発を思わせる炎がシミュレーターのコクビットいっぱいに映しだされたが、すぐに漆黒の空間にもどった。

コラン「ターゲット3を捕捉」

しかし敵機との距離が縮まり、もはやミサイルを使うことはできなかった。

コラン「ミサイル攻撃中止」

コランはボマーとすれ違いざま急反転すると、一気に加速した。ふたたびレーザー・ターゲットに切り替えながら敵機に追いすがる。“デュープ”のパイロットはXウイングを振り切ろうとがんばった。双胴の機体を左に振るとみせかけて、右に旋回したが、そんな手に引っ掛かるコラン・ホーンではない。すかさず減速すると、ボマーの後尾にぴったり食いついたまま、同じように右旋回した。そして水平飛行にもどると、レーザー弾を二発撃ちこんだ。敵機に損傷をあたえたとコンピューターが伝えてきた。ボマーが右翼を上にしでロールすると、コランもそれに倣った。水平飛行をつづけた場合、Xウイングのレーザーは敵機の両脇をすり抜けるかっこうになる。コラン・ホーンはクロスラインの中央に相手をとらえると、さらに二発撃ちこんで、こっぱみじんに吹き飛ばした。

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小説 上 P.25-28
コラン・ホーンはスロットルを全開にすると、撃墜しそこねたファイターを捜した。
TIEファイターは<コロレヴ>まで二クリックの距離に近づいていた。さらに反対側からTIEが五機、編隊を組んで接近中だ。距離一八キロ。

コラン“くそっ、あのボマーに時間をかけすぎた”

コランはふたたび魚雷ターゲット・プログラムに切り替えて、生き残ったファイターに狙いをつけた。無限にも思える時間がすざて、HUDがようやく赤に変わった。コランは発射したミサイルがファイターに命中するのを見届けてから、敵の第二陣を振り返った。

オーリル「「グリーン1、おれたちも手伝おうか?」」
コラン「その必要はない、2。<ウォースパイト>があそこにいるかぎり、つぎつぎと小隊を送り込んでくる可能性がある」

コラン・ホーンは首を振り、ため息まじりに告げる。

コラン「ファイターのほうをくいとめてくれないか、ただし<コロレヴ>から一クリック以上離れるな」
オーリル「「了解」」
コラン“これでよし。仲間がファイターを迎撃しているみいだに“デュープ”を片付ければいい”

コランはホイッスラーが表示したデータを検討した。<コロレヴ>、ボマー、彼のXウイングはちょうど三角形を描いており、三者の距離はぐんぐん縮まりつつあった。ボマーを正面から迎え撃つためには大きく弧を描くようにして飛ばなくてはならないが、そんな悠長なことをしていたら、コルヴェットが敵方のミサイル射的距離に入ってしまう。<コロレヴ>が撃沈されたら、意味はない。

コラン「ホイッスラー、<コロレヴ>から六クリック離れた迎撃地点を教えろ」

R2はいとも簡単に電子音を鳴らした。そんな計算などコランにだって暗算で出来ると言わんばかりだ。Xウイングは迎撃地点に機首を向けた。あと一分で<コロレヴ>はボマーの射程内に入る。

コラン“時間が足りない”

コラン・ホーンはスイッチを二つ入れて、シールドとレーザーのパワーをエンジンに振り向けた。たちまち加速補正器が作動して、コランは操縦席に体を押しつけられた。

コラン“これですこし時間が稼げる”
リサティー「「グリーン1、<ウォースパイト>がハイパースペースへ姿を消したわ。敵ファイターと交戦してもかまわない?」」
コラン「許可する、3。やっつけろ」

コランは一瞬だが顔をしかめた。三機がかりなら、TIEファイターを撃墜するのはわけもない。正直言って、コルヴェットなんか放っておいて、わが手で二機のTIEファイターを片付けたかった。

コラン“アンティリーズ隊長なら一機残らず一人で撃墜したことだろう。なにせリーダー機にはデス・スターのマークが二つ記されているのだ”
コラン「ホイッスラー、ボマーに4、5、6とタグをつけろ」

迎撃地点まであと三クリック。三〇秒の余裕ができた。

コラン「4を捕捉」

ターゲット・コンピューターが四五度の方向からターゲットに接近中であることを告げた。このままでは狙いがつけられない。コランはすぐさまレーザー砲とシールドの出力をもとに戻した。さらにインコム製4L4型四連エンジンからパワーを振り向ける。レーザーとシールドに動力を回したために速度は落ちた。コラン・ホーンは進路を調整してボマーを正面にとらえた。操縦桿を左側へ軽く倒して“デュープ”の一番機に箱形の枠を重ねる。HUDが黄色く点滅した直後、赤に変わった。コランはすかさずミサイルを発射した。

コラン「5を捕捉」

HUDが赤に変わり、ホイッスラーのかん高い電子音がコクピットに響きわたる。コレリア人は二発目を発射した。

コラン「6を捕捉」

ホイッスラーの電子音。コラン・ホーンはディスプレイに目を向けた。スクリーンをスクロールすると、撃墜場面のあいだに、二番機からの緊急信号が記録されていた。

コラン「グリーン2、どうした」
ヴェン4「撃墜されたよ、1」
コラン「ファイターにやられたのか?」
ヴェン4「いま説明しているヒマは・・・」

四番機に搭乗しているトワイレックからの通信はガリガリという雑音とともに途絶えた。

コラン「リサティー?」
リサティー「「一機はやっつけたんだけど、コラン、もう一機のほうが手強くて」」
コラン「がんばれ」
リサティー「「全力をつくすわ」」
コラン「ホイッスラー、6を捕捉しろ」

R2ユニットはピーとこたえた。最後のボマーは迎撃地点を通過して<コロレヴ>に迫っていた。ミサイルのターゲットに捕捉されないよう横幅のある機体をクルクル回転させている。<コロレヴ>はバカでかい図体をしているので、ボマーは機体を回転させながらでも充分狙いをつけることができる。

コラン“ロックされたが最後、<コロレヴ>は宇宙の塵と化す”

コラン・ホーンはレーザーに切り替えると、Xウイングを加速させた。まだ二クリックの距離を残していたが、レーザー弾を数発放った。これだけ射程距離が離れているとさすがに命中は望めないが、敵パイロットに追っ手の存在を意識させることはできる。

コラン“ナーフみたいにゆったりかまえているコルヴェットから、自分のほうへ注意を引きつけるのだ”

コラン・ホーンはエンジンにありったけのパワーをぶちこみ、猛然と追いすがった。さらに二発撃ち込んだものの、かえって敵機の足を速める結果に終わった。TIEボマーはついに<コロレヴ>を射程にとらえた。TIEのパイロットは機体のロールをゆるめながら狙いをつけはじめた。コランはつづけざまにレーザーをあびせかけて、ボマーを左舷方向へ追い払った。コレリア人は目を細めた。

コラン“あれを操縦しているのはブロー・ジェイス(Bror Jace)のはずだ。いまこそ出し抜こうと思っているに違いない”

敵機に搭乗しているタイフェラ出身のパイロットは−コランに言わせると−仲間うちで二番目に腕の立つ戦闘機乗りである。

コラン“あいつが<コロレヴ>の息の根をとめるか、おれがそれを阻止するか、結果は二つに一つ・・・”

コランは前部シールドにありったけのパワーを注ぎ込むと、後部はTIEボマーと同じように無防備状態に置いた。スロットルを全開にして、バレル・ロールをつづけるジェイスに追いすがる。水平飛行に戻った瞬間、コランは速射をあびせかけた。ボマーは翼の一部を吹き飛ばされながらも、Xウイングのレーザー砲撃をたくみにかいくぐった。

コラン“勝負はこれからだ!”

コラン・ホーンはすかさず操縦桿を前に押し倒して、急降下したボマーを追撃した。しかし速度が二〇パーセントも上回っていたため、Xウイングの飛行コースは外側に大きく膨れあがった。その結果、立場が逆転して、コランはボマーにうしろを取られた。Xウイングはボマーにミサイル発射の余裕をあたえず、左舷方向に急旋回した。基本的な回避飛行である。コランは計器類に目をやろうともせず、ホイッスラーの悲鳴じみた警告音も無視すると、エンジン出力を半減させてシールドの強度をアップさせた。

コラン“あと一秒”

ジェイスはすぐさま減速した。そして急上昇すると左舷方向へまわり込んだ。ボマーは水平飛行に移ると、たちまちXウイングに追いついた。

コラン“だが急接近したためにミサイルは使えない、ジェイスはレーザーを使う”

猛スピードでXウイングに近づくTIEボマー。追突防止用の警報がけたたましく鳴りだした。ジェイスはすっかり頭にきている。至近距離にもかかわらず狙いをはずしたため、今度こそはとむきになって追いかけてくるのだ。<コロレヴ>のことをすっかり忘れて、コランを撃ち落とすことに夢中になっている。
Xウイングのパイロットは後部シールドに全パワーを投入した。Xウイングの後方に半球形のデフレクター・シールドが直径二〇メートルにわたってひろがった。エネルギー兵器と物理兵器の両方に対抗できるこのシールドは、ボマーのレーザー弾など難なくはね返してしまう。たとえミサイルを撃ち込まれても、シールドが破壊力を吸収してくれる。ただしその場合、シールドもエネルギーを奪われて消滅してしまう。ミサイルよりはるかに図体の大きいTIEボマーなら、シールドなど簡単に突き破れそうである。しかし追突したとたん、はじき飛ばされた。Xウイングのほうは、後部シールドの強度が半減して機体をゆさぶられたものの、かすり傷一つ負わなかった。
それに引き換え、シールドのないボマーのほうは無事にはすまなかった。ビークルが時速六〇キロでフェロクリート壁に激突した場合とほぼ同じダメージを受けるからだ。いやスター・ファイターはビークルより構造が脆弱なだけに、衝撃度はもっと大きいかもしれない。右翼がへしゃげてコクピットを押しつぶした。そして双胴の機体がひどくねじまがり、エンジンが吹き飛んだ。TIEボマーはそのまま墜落した。

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小説 上 P.28-34
コラン「グリーン3、いまのを見たか?」

コラン・ホーンの呼びかけに返事はなかった。

コラン「ホイッスラー、3はどうしたんだ?」

R2ユニットは悲しげに電子音を響かせた。

コラン“シス・スポーン!”

コラン・ホーンは機体全体をまんべんなくシールドで覆った。

コラン「どこにいる?」

<コロレヴ>を攻撃するTIEファイターの姿がコランのモニターに映しだされた。奇妙な形をした小型戦闘機はコルヴェットの砲火を軽やかにかわしながら、デッキすれすれに飛びまわっている。

コラン“おそろしく度胸のいい野郎だ”

コランはにやりと笑った。

コラン“待っていろ、いますぐ思い知らせてやる”

コレリア人パイロットはプロトン魚雷のターゲット・プログラムを読み出すと、敵機をターゲットにとらえた。TIEはミサイルの射程外へ逃れようとしたが、<コロレヴ>のターボレーザー弾に行く手を阻まれた。HUDが赤色に変わると、コランはすかさず発射ボタンを押した。

コラン「“アイボール”を吹き飛ばせ」

ミサイルはファイターめざしてまっしぐらに進んだが、パイロットは左舷方向に急旋回してこれをかわした。

コラン“見事な腕前だ!”

コラン・ホーンは機首を下げると、TIEの後方へまわり込もうとした。しかしその瞬間、敵機は目の前から消えうせた。TIEは急反転したらしく、Xウイングの後方に姿を現わした。コランは操縦桿をいったん右に倒してから、すぐまた左に引きもどした。Xウイングは右舷方向に動くとみせかけて、左側に旋回した。レーザーが命中してシミュレーターの操縦席を震わせた。

コラン“シールドを強化しておいてよかった!”

レーザーのパワーをシールドに振り向けておいたのだ。ジグザグに飛行して背後からのレーザーをかわそうとしたが、敵の狙いは思いのほか正確だ。あのボマーを操縦していたのは間違いなくブロー・ジェイスだった。コランの動きについていけるのはジェイスだけだ。

コラン“リーダーを別にして”

コラン・ホーンは顔をほころばせた。

コラン“いいでしょうアンティリーズ隊長、相手になりますよ。ただしケガをしても知りませんからね。”
コラン「しっかりつかまってろよ、ホイッスラー、ちょっと揺れるぞ」

R2はよせとばかりに警告音を発したが、コランは無視した。Xウイングは左翼を下にしてスナップロールした。すかさず操縦桿を引き倒して急上昇に転じる。TIEはぴったり食いついて離れない。Xウイングはふたたび機体を九〇度に傾けて、こんどは急降下に転じた。コランは三秒間降下したのち、急反転してTIEファイターの背後へまわり込んだ。
TIEが左に急旋回したため、Xウイングのレーザー弾は右へ大きくそれた。コラン・ホーンはスロットルを全開にすると、いったんTIEのそばから離れた。そしてTIEを眼下に見据えながら急上昇すると、その背後に食いつくべくふたたび急降下に転じた。しかしTIEがいきなり右へ急旋回したため、コランは大きく左方向へ引き離されてしまった。トラッキング・ディスプレイへ目をやると、両者の距離は一・五キロにまでひろがっていた。

コラン“正面からの一騎打ちをお望みですか?こちらはシールドで守られていますが、そちらは丸裸なんですよ”

しかし隊長が自殺行為をお望みになるのなら、こちらは喜んでご要望に応じるまでです。コランは操縦桿を胸元へ引き倒すと、機体を反転させた。

コラン“覚悟しろ!”

二機のスター・ファイターは瞬く間に接近した。コランはクロスラインの中央にとらえると、HUDの色が変わるのを待った。シールドのないTIEファイターは一撃で吹き飛ぶはずだ。一発で片付けてやる。ジグザグ飛行をくりかえすTIEをようやくロックすると、HUDの色が緑に変わった。TIEが光弾を雨あられと浴びせかけてくる。この距離だとシールドにことごとくはね返されてしまうのに、ウェッジはどうしてエネルギーの無駄遣いをするのだろう。HUDがちらつきはじめて、コランはようやく相手の狙いに気づいた。

コラン“レーザーの閃光でターゲット装置を惑わすつもりだ!はやいとこやっつけないと!”

コランが発射ボタンを押すと、赤いレーザー・ビームがTIEファイターめがけて放射された。しかし命中したかどうか見届けることはできなかった。コクピットのランプがすべて消えてホイッスラーが狂ったように電子音を響かせはじめた。メイン・モニターが真っ白になり、シールドは消滅してう兵器頼もすべて使用不能になった。パイロットは左右を見まわした。

コラン「敵機はどこだ、ホイッスラー?」

モニターが生き返って、破損箇所の報告をはじめた。血のような罫線で縁取られたダメージ・リポートである。

コラン「スキャナー不能、レーザー不能、シールド不能、エンジン不能!これじゃまるで死にかけのハットじゃないか」

機体のスキャナーが使えなければ、TIEファイターを見つけることはできない。R2ドロイドに内蔵されているスキャナーでは限界がある。ホイッスラーは不安げに一声発してコランの予想を裏付けた。

コラン「落ち着け、ホイッスラー、まずシールドを復活させろ。いそげ」

コランはTIEファイターの姿を求めて 辺りを見まわした。

コラン“いつまで気をもたせるつもりですか、隊長?まず<コロレヴ>を片付けて、それからおれを始末する気なんですね”

パイロットは背筋に寒けが走るのをおぼえて顔をしかめた。

コラン“隊長のおっしゃったとおり、おれはルーク・スカイウォーカーじゃありません。まずまずだと評価していただいたことは感謝していますが、おれは一番になりたいんです!”

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小説 上 P.34-38
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注!!ダイジェスト版です。詳細は参考書籍にて。(^_^)
Last Update 06/Nov/1999